レッスンの日々が続いています。
僕は大学院まで、ドイツ歌曲、特にシューベルトを研究していました。それが今ではイタリア・オペラや歌曲をメインに勉強しているのですから、人生は分からないものだなあと思います。パルマの街で勉強したい!と思ったきっかけはやはり、イタリアを代表する作曲家、ヴェルディの音楽に魅せられたところが大きく、その劇的表現と高貴さはオペラの王道と言えるものだと思います。
歌曲王シューベルトも、歌劇王ヴェルディも、情熱的な美しいメロディーを沢山残してくださいました。歌を愛する者にとって、メロディーをどう奏でるか、歌詞をどう乗せていくかという永遠の課題と、音楽の喜びを教えてくれるこの二大巨匠の作品が大好きです。
国立パルマ音楽院教授のフランチェスケット先生のレッスン(写真)では、バリトン歌手である先生が、イタリア語の表現方法について詳しくレクチャーして下さいます。先生はまさに「歌役者」。オペラのドラマを演じることで、歌声が自然に湧き上がってきて、たとえそこがレッスン室であっても、先生が歌うとシーンの情景が浮かんできます。また、先生はとても気さくな方で、イタリアの人がジョークを言う時の明るい雰囲気を、沢山学ばせていただいています。特に、プッチーニのオペラ《ジャンニ・スキッキ》を勉強した時は、先生が面白すぎて、「ずるい!」と何度も思ったものでした。ユーモアがあり、生徒に対する愛情に溢れたフランチェスケット先生とのレッスンの日々。ありがたいです。
(音楽院修了試験の時のショットと、レッスン風景。)